横田空域とは?【CAの基礎知識】

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横田空域とは?【CAの基礎知識】

 

みなさんお元気ですか?

 

今日のニュースではこちらの横田空域を一部解放するとかで少しざわついていましたね。

 

ちなみにこの「横田空域」ですが、CA(客室乗務員)ならその言葉は聞いたことがありますよね?
その内容についても半数位の方はご存知かとは思います。

 

そこで、今日はこの横田空域にまつわる背景や思惑などについて解説しようと思います。これからCA(客室乗務員)や航空会社を目指す方ならこれは必見です。

 

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羽田・成田発着路線の不思議な空路

 

CAの方ならご存知とは思いますが、羽田空港や成田空港を離発着するフライト(特に西へ向かうフライト)の航空路を見ているとあることに気づきます。

 

たとえば九州から羽田に向かうフライトの場合ですが、伊豆半島の南を通過してそのまま房総半島の南端まで行き、北に90度旋回して羽田にアプローチ、またはその後木更津で再度西に90度旋回、或いは東京湾沿い幕張のあたりから西に90度旋回して羽田空港に着陸します。

 

一体どうしてこのような大回りをしているのでしょう。

 

もちろん東京都心部の上空は人口密集地で低空飛行が制限されているということもありますが、それより西の山梨や神奈川や東京多摩地区の山間部を経由すれば大幅に時間が短縮されるのに不自然ですよね。

 

 

横田空域の障壁が日本の空をいびつに

 

この不自然な空路を余儀なくしている原因が「横田空域」という存在なのです。横田空域とは、在日アメリカ軍の横田基地の管制空域のことなのです。
それでは、一体なぜ米軍の基地が日本の空域を占有しているのでしょう。

 

日本は第二次世界大戦の敗戦国として、1945年8月の終戦以来ずっとアメリカ軍の占領を受けています。
日本全国にアメリカ軍の基地が展開していることはみなさんご存知の通りです。この横田基地も、東京の西のはずれの福生にある在日アメリカ軍の航空基地のひとつです。
その横田基地上空の広大な空域の管制権が米軍に握られている結果、たとえ民間機であっても横田空域を通過飛行することが基本的にはできません。

 

必要な場合には事前に一件ずつ米軍の許可を取らなければならないのですが、当日になっていきなり米軍の訓練などの事情で、問答無用で許可が取り消されることもしょっちゅうなので、航空会社は定期便の飛行経路としては横田基地上空を回避するしか選択肢が無いのです。

 

ゆえに、このようなとても不自然な空路となっているのです。

 

 

横田空域によって日本の空は不便を強いられています

 

横田空域を事実上飛行できないことによる迂回空路を余儀なくされて、航空会社は燃料も余計に消費せざるを得ず、その分の費用は最終的には航空会社の負担となります。もちろん飛行時間も余計に多くかかります。

 

例えば、この横田空域が飛行できれば羽田・大阪など飛行時間は30分程度で住んでしまいますしその分燃料の消費も大幅に削減できます。

 

また、迂回ルート自体がそもそも大渋滞しているのです。
つまり、横田空域は混雑という更なる不便も生み出しているのです。
運が悪いと房総半島上空で待機するように管制から命じられてしまうことも有り、乗り継ぎに間に合わないお客様が発生してしまうこともありますね。

 

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横田空域の広大な範囲

 

横田空域の範囲ですが、かなりの広範囲に渡っているんです。
「横田」という地名でで誤解しそうですが、その管制空域は西は神奈川県や静岡県、北はなんと新潟県までの1都8県にまたがる広大なものなんです。
高度は最高高度は2万3000フィート(約7000メートル)もありますので、まさにこれは空の見えない壁のようなものなのです。

 

この図を見ると高度が横田空域より高ければ飛行できるじゃないかと思われるかもしれません。
しかし、ここまでの高度の場合、羽田に着陸する時には降下が間に合わない、逆に羽田を飛び立ってからここまで高度を上げるためにはとても時間がかかる(旋回しながら上げるしかない)ので実質それは航空会社にとっては非効率なことになってしまうのです。

 

現在でも羽田を出発する一部のフライトは横田空域の更に上まで上昇して西に向かうものがありますが、羽田を飛んだあとしばらくの間グルグルと旋回して高度を上げています。

 

 

横田空域のまとめ

 

これまで過去数回にわたって、横田空域の一部が日本に返還されていますが、未だに大部分は米軍の管制下にあります。
無断で横田空域を飛行できない以上、今後も空域の返還交渉を政府間で進める以外に改善策はありません。

 

2020年の東京オリンピックの開催に向けて、横田空域の一部がまた日本に返還されるというニュースが飛び込んできました。
これによって、羽田の国際線の年間発着回数が増えて、昼時間帯で現在の6万回から9.9万回に増えるとのことです。また、この一部返還される空域の管制についても日本が行うということです。

 

しかし、そもそもこの空域は日本のものなので、これは当たり前の話です。

 

日本のアジアのハブ(拠点)としての地位をこれ以上中国や韓国に奪われないように、横田空域問題を解消して便利で安全な日本の空が戻ってくる日を願ってやみません。

 

しえすたのプロフィール
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