アップグレードとオーバーブッキングに見る人間模様に婚活を重ねてみると

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アップグレードとオーバーブッキングの場面は婚活の縮図

 

秋もだいぶん深まってきましたね!

 

これからどんどん寒くなってきますが、心の方は温かくいたいものです。

 

さて、今日は航空会社あるあるのひとつ、オーバーブッキングとアップグレードについてお届けします。

 

 

 

 

 

私たちCAは出発前のゲートでそのような状況によく遭遇しますが、実はこのオーバーブッキングとアップグレードって、婚活の縮図なんだなと最近気づいたんです。

 

 

 

 

とても人間臭いといいますか、やっぱり人と人の出会いなんだなあと、しみじみ思うわけです。

 

 

席が無い!オーバーブッキングって何?

 

まずは広く世間の皆様のために、このオーバーブッキングって何かをご説明しますね。

 

航空会社では各フライトの予約を受け付けるときに、座席の定員以上の予約を受け付けることがあるんです。

 

 

なんで?

 

と思われる方も多いと思いますが、実は、フライトの当日になると予約をしていても空港に現れないお客様が一定数おられるんです!

 

 

航空会社としてはなるべく満席にして収益を上げたいわけですから、その当日キャンセルの数を見込んで多めに予約を受け付けます。

 

 

しかし、もしフライトの当日に予約したお客様が全員いらしたり、予想した数よりキャンセルが少ないと飛行機の座席が足りなくなります。

 

 

その結果、そのフライトに予約したのに乗れなくなるお客様が、足りない座席の数だけ発生してしまいます。

 

 

 

これを「オーバーブッキング」といいます。

 

 

 

実はオーバーブッキングって航空会社の正当な権利なんです

 

予約したのに席が無い?

 

 

ふざけんなーーー!!

 

 

 

って思いますよね・・。

 

私も空港のチェックカウンターや搭乗ゲートでそのように絶叫するお客様をお見かけすることがあります・・。

 

お気持ち、よくわかります・・。

 

 

しかし!

 

 

座席数以上の予約を受け付けることは、航空会社の予約販売時の正当な権利として、世界各国の法律で認められいるんです。

 

 

座席を可能な限り満席にして運航しないとその航空会社の収益が下がってしまい、業績悪化・倒産という最悪のシナリオをたどってしまいます。

 

そういった航空会社のビジネスをある程度保護する意味合いもあっての措置なんですね。

 

もちろん、日本も例外ではありません。

 

ですので、オーバーブッキングは、世界中の航空会社で日常的に起きていることなんです。

 

 

 

オーバーブッキングが発生したらどうするの?

 

では当日オーバーブッキングで席が足りなかったらどうするのでしょうか?

 

 

 

立ち乗り?

 

 

 

貨物室?

 

 

コックピット?

 

 

まさか、これら全て航空法で固く禁止されています!

 

 

 

オーバーブッキングが発生すると、航空会社はそのフライトのお客様の中から席を譲ってくれる人=ボランティアを探すことを始めます。

 

 

つまり、そのフライトではなくひとつ早いフライトや遅いフライト、または翌日のフライトに変更していただけるお客様を当たるんです。

 

 

 

それは当日に空港で行うこともありますし、前日くらいに予約センターから電話やメールでご連絡する場合もあります。

 

 

もちろんタダでとは申しません。

 

 

そのご協力に対する御礼として、マイレージの加算や時には現金を進呈させていただいています。

 

また、そのフライトに乗れないことで発生する諸々の費用(ホテル代や、食事代や移動費など)も航空会社の負担となります。

 

 

そして、最終的に不足席数と同じ人数のボランティアが集まればオーバーブッキングは解決するのです。

 

 

その時に起こる数々の人間模様、それはまさに婚活に通じる様々なドラマがあるんですよねえ・・。

 

 

 

幸運のアップグレードはオーバーブッキング時に発生します

 

仮にエコノミークラスだけがオーバーブッキングしても、ビジネスクラスに空きがあれば、エコノミークラスの足りない座席数と同じ数のお客様をビジネスクラスにご案内する場合があります。

 

 

これをアップグレードといいます。

 

では誰をアップグレードするのか?

 

 

まさかボランティアを募る?

 

 

そんなことしたらボランティアだらけになって収集がつかなくなってしまいますよね(笑)!

 

ですのでこの作業は航空会社スタッフが一定の基準に基づいて候補のお客様を選んでご案内しているんです。

 

 

これもまた人間ドラマというか、人間臭い愛憎うずまく話なんですよ・・。

 

 

 

どうしてもオーバーブッキングが解消しないとき

 

 

もし、どうしてもボランティアが集まらず、アップグレードでやりくりしても座席が足りない場合、航空会社は最終手段をとります。

 

それが、

 

 

搭乗拒否です。

 

 

搭乗拒否は、日本の航空会社ではではあまり見られないですが、海外の航空会社ではよくあります。

 

 

もちろんただ搭乗拒否をするだけではなく、ボランティアと同じく補償金や宿泊施設や交通手段、そして代替フライトを用意することが殆どです。

 

 

ちなみに、補償内容はボランティアよりも手厚い場合が多いですね。

 

 

しかし、この搭乗拒否はかなり揉めます!

 

 

罵声や怒号が飛び交うこともしばしばです。

 

 

これでお巡りさんが登場する(搭乗じゃなくて)こともたまにあるんですよ・・。

 

 

たしかに、そりゃ揉めますよね・・

 

 

予約が確定しているのに当日空港に行ったら席が無いので乗れないとなるとね・・。

 

 

しかも運悪くその人はどうしてもそのフライトに乗らないと10億円の商談がパーになるなんていう事情も有ったりして・・。

 

 

実際に裁判沙汰になったケースも色々とあるようですが、判決は大体航空会社優位になっているようですね・・。

 

 

これぞドロドロの人間模様ですよね・・。

 

 

 

アップグレードとオーバーブッキングに見る人間模様と婚活ってどういうことか?

 

さっきから人間模様って思わせぶりですけど、本当にこれらのやり取りの全ては婚活に通じる人間同士の駆け引きなんですよね。

 

 

人間の感情の駆け引きや取引き、したたかな作戦、そして思いやり・・。

 

航空会社の社員とたお客様との一連のやり取りは本当に人間臭く、泥臭いところがあるんですよねえ。

 

 

アップグレードが必要な時に航空会社はどういう基準で候補を選んでいるのか

 

まずはアップグレードが必要な時ですが、航空会社では一定の基準に沿って候補のお客様を選んでいます。

 

私の会社ではまずマイレージ制度の上級会員の方から優先的にご案内します。

 

 

次に航空運賃の高い方(格安フェアではない方)をご案内します。

 

 

ただし、それらの方々でも最低限満たしている必要がある条件があるんです。

 

 

それは、

 

  • 大人のみ(子供連れはNG)
  • 身なりがきれい
  • 態度が紳士淑女的
  • アルコールを飲み過ぎていない
  • 特別食の注文が無い
  • 特別な介助が必要では無い

 

 

というような条件ですね。

 

 

これらの条件を満たす人を探す時のフィルター、そして選ばれる側の人の心がけって、婚活と共通と思いませんか?

 

 

選ぶ側、つまり航空会社のスタッフ個人のフィルターも有るので、なかなか画一的な判断基準を機械的にはめ込んで選択することはできません。

 

 

更に、このような条件ってやはり会話を交わしてその方のお人柄や振る舞いを確認しないとなかなかわからないものですよね。

 

 

選ばれる側の方も、お客様だからといって横柄な態度をとったり、汚い身なりだったり、調子に乗って悪酔いしていたら相手にはしてもらえません。

 

 

やはり日頃からの振る舞いや心がけってこういう時に試されるんだなとひしひしと感じます。

 

 

 

搭乗拒否の修羅場で

 

オーバーブッキングの最終局面かつ修羅場、それは搭乗拒否です。

 

 

さきほどの搭乗拒否に遭遇して10億円の商談がパーになったお客様のケースを思い出してください。

 

 

空港のチェックインカウンターで予約していたフライトに乗ろうとしたところ、

 

 

オーバーブッキングのためお乗りいただけません

 

 

オーバーブッキングは航空会社の権利ですので

 

 

なんて言われた日には・・

 

 

しかしここが大切ですよね!

 

 

どんなに怒り心頭でも、そこでどういう対応をするかで運命はまたもや大き変わってしまいます!

 

 

どうしても搭乗拒否を受け入れられないなら、自分がどれ程までにその便に乗らなくてはならないかを丁寧かつ冷静に航空会社側に伝えることが必要です。

 

 

仮にその場で怒鳴り散らしたり、取り乱して暴れだしたら、その方には別の新たな災難が降りかかってきますよね。

 

 

そう、お巡りさんのお世話になってしまうということ。

 

10億の商談もそうですし、加えて警察沙汰というダブルノックアウトを受けてしまします。

 

 

もしその場で冷静かつ丁寧に事情を話せば、航空会社のスタッフが再度ボランティアを探しに行ってくれるかもしれないですから。

 

 

 

搭乗拒否なんて、航空会社のスタッフもやりたくてやっているわけでは無いことを考えればわかるはずです。

 

 

お客様と揉めるのはわかり切っていますので航空会社の人もすごく気が重いのですが、しかし業務のひとつなのでやむを得ず行っているんですよね。

 

 

そのように相手の立場を理解せずに一方的に取り乱して感情的になっても事態は悪化するだけです。

 

 

どうしてもその便に乗れないならまずは航空会社からの代替案に耳を傾けて冷静に自分のスケジュールとすり合わせることが必要です。

 

 

例えば予定よりも4時間遅れるが商談の場にはギリギリ間に合うととか、商談相手に事情を話せば不可抗力ということで時間をスライドしてもらえたりとか、解決策はあるはずなんです。

 

 

自分は客だから一歩も譲歩しない!

 

どうにかしろ!

 

 

という態度で自分から前に進もうとしない人、そういう態度の人ってきっと幸薄いんだろうなと思いません?

 

 

このような窮地であるからこそ、状況を冷静に素早く分析して自分も前向きなアクションを取り、航空会社のスタッフの協力も得るという主体性がその人の人生をも切り開くと思いませんか?

 

 

婚活とオーバーブッキングは人生の縮図なのかも知れません

 

素敵な男性と出会って幸せな結婚をしたい!

 

選んでもらうために普段から心身ともにキレイでいよう!

 

この条件だけは譲れない!

 

 

けどやはり自分もその点は受け入れる!

 

 

そうすれば新たな出会いに恵まれるはず!

 

 

これらの人としての心がけって、婚活でもオーバーブッキングでも共通してると思うんです。

 

 

それに限らず人生の中で大切な要素かなとも思うんです。

 

 

私はオーバーブッキングに遭遇するたびに、こうしてひしひしと肌で感じるのです。

しえすたのプロフィール
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